さてこの本、かなーり古いです。本が古ければ取材時期は更に古い。取材が基で連載記事になったものをまとめあげたのですから当たり前か、'50年代のオハナシだったりするんで。SL全盛、炭鉱が活気付いていた頃の北海道だなぁ。ま、それはおいといて。
他の本で見るようなとげとげしさ(本多勝一らしさ?)は、この本ではあまりみられない。丹念に調査をして記事にするというスタイルはこの当時からだったようだが、それはあとがきでも読まなければフイと通り過ぎてしまう事かもしれない。
この本の全編に通じるのは、きたぐにの生き物と、そこで共生する人間への率直な敬意とでも言おうか。ちょっと斜に構えた感じのする「本多流アクの強さ」みたいなものは感じられない。まだ20代の頃の作品だからだろうか。
後年の本多作品は、その鋭い指摘に驚き納得しつつも何となく勘に触る物言いに反感を覚えたりするのだけれど、この作品を読んでもそう言うことはなかった。良い方向に裏切られたかな?
2006年5月4日 NW595(MSP-PDX)機中にて読了
