日々のつれづれ(4代目)

日々じゃなくってたまに書いています(^^;
旅行レポート以外の、細々としたこと。
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金子光晴 「マレー蘭印紀行」(中公文庫)

2006-06-10
 3月に行ったマレー鉄道のガイドか何かを読んでいて、この本があることを思い出させられた。そういうタイトルの本があるって見たことがあっただけで、どういう経緯で書かれたどんな内容の本かは知らないまま通り過ぎていた。

 せっかくなので読もうと思いつつ入手に手間取り(新本はなかなか置いてなく、Amazonで探すのをずっと忘れ)再び通り過ぎそうだったが、先日アメリカで長距離列車(AMTRAK)に乗った時にこの本を買いそびれている事を思い出し、帰国してAmazonで注文して買った。ハイ、古本です。昭和53年初版の昭和63年版です。

 中身も古いです。昭和3年〜7年の旅行時の見聞や思索を纏めた物だと解説にあります。おいおい、ウチの親が生まれる前じゃん。70年いや80年近く前の話だよ。

 しかし、マレー鉄道に乗って半島を移動し、ブルネイで水上集落を見てきた記憶を辿ると、恐らくはそうであったろう、かつてのあの辺の風景や人の動きが何となく分かる。もちろんイメージに過ぎないのだけれど。特に水辺の光景、熱帯雨林の湿った空気は今でもどこかに残っているだろうと思える。

 感情を抑制した綴り方の中にも溢れる想い、そういうものを本文中のあちこちで感じることができ、今から遠い過去の旅がどのようなものであったか、物質的なもの、精神的なもの双方に思いを馳せずには居られない。東南アジアの空気を知っている人は読んで見たらよいのではなかろうか。

 2006年6月8日 飲んだ帰りの東海道線車中にて読了
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