日本の環境行政の稚拙さ、デベロッパー企業(特に西武=国土計画)の狡猾さ、地方自治体の首長や有力者たちの環境に対する意識の低さ(薄さ)、といった事柄について、これでもかこれでもかと実例を挙げ我々に目覚めよと切り込んでくる。知床、長野オリンピック関連、青秋林道(白神山地)、屋久島、石垣新空港…いずれも耳に馴染んだ争議の場だ。
本多勝一のこの手の著作は、声高に異論を申し立てる。遠慮会釈なく読者に畳み掛けてくる。間違ってはいないと思うがいささか癇に障る。僕の嫌いな田原総一郎(の討論スタイル)に相通じるものがある(笑)。問題告発から解決まで全てを述べよというのは無理な注文なのだろうが、それでも「そんだけ言うんだったらじゃあ地元の人はどうやって生活してゆくのか、土木工事以外の収入やインフラ整備の代案出してよ」とぼやいてみたくもなる。
が、'70年代後半から'90年手前までの時期に書かれたこれらの項目は、この書物の叫びも虚しく、その後これらの告発をあざ笑うかのようにほぼ予定通り進捗してしまったのではないか!?それでも知床、白神山地、屋久島が世界遺産に指定され、多少は開発のペースが鈍ったと評価して良いのだろうか?
作品中、他の登場人物が述べた言葉に真実がある。
「死膳」(自然)ではメシが食えない
地球は全世界が管理しないと自滅するような時代に突入しちゃった
この本を読みながら、観たかった映画が2本あったのだがどちらも見逃した。「不都合な真実」「ダーウィンの悪夢」だ。あれこれ理由をつけては見逃してしまうあたり、自分も大した問題意識は持っていないのだろうな。。。
2007年2月19日 通勤の京浜東北線車中にて読了
